東京映画帝国

”全映画は3つの部分に分かれる” 基本的にあらすじなし、ネタバレなし、映画館鑑賞作のみの感想[評価/批評]。適度な長さとわかりやすい言葉でのレビューとなることを心がけてます。(☆は最大5。3以上で傑作)

<カギかけろ>「コップカー」ネタバレなし感想レビュー

家出少年二人に、パトカーを盗まれるコワモテ保安官の話。 パトカーを盗まれたのは完全に保安官の不注意。感想としては「カギかけろ、アホか」の一言で以降の展開に急速に興味を失い、自分の保安官への渋カッコいい度はゼロに。 当方、ケビン・ベーコンリテ…

"深いね。深いでしょ。" 「海よりまだ深く」ネタバレなし感想レビュー

高い評判ほどには物語に乗れず。 「男ってやつはー!男ってやつはこういうところがダメなんだからな!!」と2時間ずっと真木よう子に往復ビンタを食らっているような気分だった。あの目線、彼女は演技関係なく、息子を迎えに来る羽目になったあの無神経なシ…

"幸せは空の上に" 「殿、利息でござる!」ネタバレなし感想レビュー

日本にもノブレスオブリージュ(富めるものの公共奉仕)があったんだ。 評判が良かったので鑑賞。「白ゆき姫殺人事件」「予告犯」の中村義洋監督なので期待して。(この流れで監督が時代劇やるのは意外だと思ったら、松竹発ではなく在仙台テレビ局の40周年記念…

<事件の真相より、社内政治ドラマが多めの前編> 「64ロクヨン 前編」ネタバレなし感想・レビュー

NHKドラマ化での評判の良さを聞いていた一作、これだけ豪華俳優で駄目ってことはないだろうとかなり期待して鑑賞。結果、観に行ってよかった!演技の素晴らしかった俳優は数えきれない!これは日本映画サスペンスの傑作の一つになるはず。かるた映画もいいけ…

<恋とは違うエモーション>「ちはやふる 下の句」ネタバレなし感想

「恋とは違うエモーション」と主題歌に書いた中田ヤスタカの言葉通り、友とともに恋とも仕事とも違う打算とはかけ離れたものに、情熱を持って打ち込める唯一の機会「青春時代」と「部活」っていう組み合わせに「競技かるた」というスポ根的な要素もあり手垢…

<邦画からのアンサー>「太陽」ネタバレなし感想レビュー

<邦画からのアンサー> 近未来、バイオテロによるウィルスが蔓延、人間社会がウィルス耐性を持つものと持たざるものの2つに分かれた世界の対立を描いた傑作舞台劇を映像化。 物語的にはサスペンスかと思ってたので、ドラマ重視の話の畳み方にやや肩透かし。…

<いい大人がマジになりすぎ> 「ズートピア」ネタバレ無し感想レビュー

<いい大人がマジになりすぎ> 自分目線だけで言うと、このかわいい絵柄で普通に楽しめてなおかつ現代アメリカ社会の徹底した風刺・トレースをするなんて最高!という感じ。 だけど、ふとこれは4、5歳とかの子どもから観るアニメと考えると、子ども向けアニメ…

<ルベツキが映像の未来を見せてくれた>「レヴェナント 蘇りし者」ネタバレなし感想レビュー

朝夕のマジックアワーだけで撮影し、人馬が駆け抜けるのを180度舐めるように追いかけ、アメリカ大陸の雄大かつ恐ろしさすら感じる大自然を見事に切り取り、お得意の超長回しもカマす、エマニュエル・ルベツキの撮影が素晴らしかった!(と監督もね) ドローン…

"教会は何でもできる" 「スポットライト 世紀のスクープ」ネタバレ無し感想レビュー

言わずと知れたアカデミー賞作品賞受賞作。豪華俳優陣で一定のレベルを超えているし既に多く語られている褒めポイントには概ね同意だけど、べた褒めばかりもつまらないのであえての変化球。 神父による児童への性的暴行、教会上層部の隠蔽。冒頭、警察署のシ…

<まさに地獄巡り> 「ボーダーライン」ネタバレなし感想レビュー

「複製された男」「プリズナーズ」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督と「007スカイフォール」のロジャー・ディーキンスの撮影で観ないわけにいかないので鑑賞。 いやーメキシコが中東のように移動時にシボレー防弾仕様の四駆で隊列組んで爆走しなければならないほ…

”健康が大切ということ” 「モヒカン故郷に帰る」ネタバレなし感想レビュー

監督の作品出演経験者ばかりの独りよがりの配役ではなく、きちんと人気俳優を配しての笑って泣けるドタバタホームドラマ。松田龍平、前田敦子、柄本明、もたいまさこ、千葉雄大、名前を挙げたくなるほどみんなよかった!プラス「横道世之介」の監督、この座…

「リリーのすべて」感想 "何を着ていようと、眠りの中で見る夢はリリーの夢よ"

最高だった。これが世界初の性別適合手術を受けた人の物語とか奇跡かよ。リリーの目覚めてしまうきっかけ、下着姿を見せた時の奔放な妻の最初の反応、彼女を書いた絵が思いがけず高反応で売れる、など「事実は小説より奇なり」と日記も残ってるだけあって実…

「ルーム」感想 <おしい、もったいない>

卵・チャーシュー・メンマと一通りのった普通程度の濃さのラーメンが食べられると思いきや、具材も少ないわりとあっさりめの塩ラーメンだった感じ、美味しさ自体は間違いないんだけど。予告初見時のインパクトからハードルが上がりに上がり切っていた上に、…

<3時間の黒木華プロモーションビデオ>「リップヴァンウィンクルの花嫁」ネタバレなし感想

評判よかったからかなり期待していたんだけど、前半のリアル路線と後半とのバランスが悪い上に、突っ込みどころ満載でまったく乗れず。「映画」としてはずっと退屈だった。ただ撮影のセンスと主演女優は素晴らしく、180分の映画としてではなく短編5分×36の「…

"力は罪ではない"「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」ネタバレなし感想

映画では先行するMARVELシリーズのカウンターとして、少し大人向けの立ち位置を確立していたと思う。アメコミ映画でありながら軍人や政治家の出てくるリアル路線、宗教・神話モチーフの引用 、ぎっちり詰め込んだ情報量、ノージョークのどこまでもダークな世…

<魂で殴り合うように> 「ちはやふる 上の句」ネタバレなし感想

原作はさわりだけ読んだ。日テレの実写映画化っていいイメージないんで期待していなかったんだけど、評判通りちゃんと爽やかで瑞々しくも熱い青春部活ムービー、に相応しい納得の撮影・照明諸々のクオリティで、競技中のスーパースローモーションカメラも違…

"正義?そんなものこの国にはねえよ" 「インサイダーズ/内部者たち」ネタバレなし感想

TLでとても評判がいいのとほぼTOHOシネマズ独占上映に期待して鑑賞。 政治・経済・メディアの癒着、地縁・血縁・学歴のコネがモノを言う時代遅れの社会構造、という韓国社会の「闇」と「恥部」を描きながら、サスペンスフルで下品でバイオレンスもあり、とち…

「アーロと少年」感想 <そもそもあなたはもうターゲットではないのかも?>

事前に評判を読んでいて、あまり期待せずに「頭を空っぽ」にして観たので自分は満足。これは"話がありきたりで…”とか、"人間が犬みたいに描かれていてちょっと…”とアタマで考えてしまう層はお呼びじゃないんだなと。 「現実よりも美しくなければ意味がない」…

「マネーショート」感想 <なるほど、わからん>

絶対に安全と言われたアメリカの住宅ローンの崩壊を見抜き「暴落するほう」に賭けた男たちの話。 噂通り冒頭から「スティーブ・ジョブズ」「ヘイトフル・エイト」に匹敵かそれ以上に(やや専門的な)セリフ、セリフの応酬で体調や予習が万全でないと置いていか…

「ヘイトフル・エイト」感想<映画好きとしては楽しめた>

評判が高かったので鑑賞。タランティーノ監督には明るくありません。 「パナヴィジョン70mmフィルム撮影」による冒頭、ワイオミング州の美しい雪景色を駆け抜ける馬車馬の勇姿(馬好き、カメラ好きとしてはずっと観ていたくなる)と、フィルム撮影に耐えうる最…

"音楽家は楽器、私はオーケストラを指揮する"「スティーブ・ジョブズ(2015)」ネタバレなし感想

メジャー感の少なかったアシュトン・カッチャー版とは違い、ユニバーサルスタジオ配給、レジェンダリー・ピクチャーズ製作のマイケル・ファスベンダー版。ついにジョブズ自伝映画の「真打ち」が来るかと思いきや、こっちの方が相当トリッキーで、一見さんお…

「キャロル」感想 <うつくしさとあざとさ>

同性愛云々は別にいいんだけど、みなさん美女同士なら不倫はいいんですかね? 「不倫っていっても、夫とはすでに調停中で離婚はほぼ避けられないのは確定、子どもとも別居中で子どもの生活に不都合があるわけではない」って、微妙に叩かれないラインで保険を…

「オデッセイ」感想 "科学の力で乗り越える!"

原題THE MARTIAN(火星の人)からけったいな邦題に変更、ゴールデングローブ賞の受賞(コメディ部門)でコメディって初めて知って、色々見くびっていたけど、そこはリドリー・スコット監督だけあってしっかり「ゼログラビティ」「インターステラー」に続くドラマ…

「サウルの息子」感想 <手汗の次は、目がどっと疲れる体感型映画>

期待してたんだけど、良くも悪くもユダヤ人(収容所)ものなので、ユダヤ人とその歴史的歩みにシンパシーを持てる人 か、そういうガチな光景を観るのが好きな人向け。 冒頭の人類史に残る蛮行と、それを観せるTPS視点、狭い画角・アスペクト比、浅い被写界深度…

"愛はすべてを解決するけど、愛が壊すこともある"「ビューティー・インサイド」ネタバレなし感想

評判がすこぶるいいので鑑賞。アジア映画は見逃すとレンタルなかったりするからなー。 「目覚めるたびに毎日顔が変わってしまう男の恋」というのはタイムリープモノっぽい。自分はそういうの大好きなんで一気に引き込まれた。SFチックなネタと恋愛、洒落たタ…

「ザ・ウォーク」感想 <テロか、アートか>

どこのレビューも手汗、手汗ってナンボのもんじゃいと思っていたけれど、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のロバート・ゼメキス監督作なら観ないわけに行かない。特に予備知識なく観たから、ワールド・トレード・センター戦でのワイヤー上の展開には「え…

「白鯨との闘い」感想 "地球は神からの預かりもの、望むようにしていいのだ"

クリス・ヘムズワースとロン・ハワード監督の「RUSH/プライドと友情」が好きだったので鑑賞。 捕鯨ネタって日本人的にはなんかノレないなーと思いながらも、中身は意外と何かと(神の名の下に)自己を正当化し、地球を我が物のように使う人間の傲慢さに警鐘を…

「ピンクとグレー」感想 "人が本当に分かり合えるなんてことはないんだよ"

原作者のNEWS加藤シゲアキ君はよく宇多丸師匠のタマフルに出ていて、しっかりとした映画ファンなのを知っていて、それでも「ジャニーズによる芸能界モノ小説が原作かー」と侮ってた。けど意外にも期待値を超えて、鑑賞後もズーンと後に残り色々考えてしまう…

「イットフォローズ」感想 <指に中途半端なタトゥーをしちゃうような頭の軽い女の子に何か起きても何も感じない>

某所で激賞されてたからかなり期待してたけど、普通のホラー映画の域を出ない映画だった。 怖さだけの、特にドラマのないホラーは嫌いな人なので、事前情報でも出ている「アレをするとアレに追いかけられる」以上のことが見えてこなかったのは残念。モチーフ…

映画「ブリッジ・オブ・スパイ」感想 <規則を守ることがアメリカ人の証である>

"誰であろうと公正な裁判を受ける権利がある。そして、憲法に忠実であることが、アメリカ人がアメリカ人たる根源である。規則を守ることがアメリカ人の証である" "冷戦下スパイ交換の顛末"という性格上、わかりやすい娯楽性は薄いけど、法廷劇、人間ドラマ、…