映画「バケモノの子」感想 <僕らがメジャーで観たかったのは中距離バッター松井秀喜ではない>
そういう感じ。事情は察するが無難すぎる。うーーん高い期待値からの高低差としてはけっこうかも。前三作はかなり好きな人です。
「細田ちゃーん次は小学生くらいの子がバーっと観に来るのヨロシク」というようなオーダーに”そのまま”答えちゃった感じか。でも「小学生」だってもう少し背伸びしたのが観たかったはずだし、今までの細田守作品はそうだった。
なんか「異常なまでの説明ゼリフ」がヤケクソか?ワザとか?と"何か"あったのかと勘ぐってしまうレベルだし、物語が平坦で、類型的。いつもより監督の筆のノリが悪い感じがする。だから元々気が進まない企画だったのかなーとも感じるし、自分の子育て体験を組み込んだためにその「想い」が強すぎて客観視出来ずに散らかったのかとも感じる。
映像が綺麗なのはただ「金」があるからだし、演出・着想は平凡。出演している俳優のレベルが高いのも同じ。
個人的には渋谷という実写映画の撮影許可が下りない都市の中の街を、わざわざ「何でもできる」アニメ映画で舞台にしているなりの仕掛けがあると踏んでたんだけど、ただの「背景」でした。写真撮ってトレースすればいいから楽だね。うん、みんな知ってる場所だね、よかったねーー。
もっと突き抜けて欲しかった。でもまだ「打率」は高い。ドンマイ、次行ってみよう。
☆2.0