映画「アントマン」感想
"誰にとっても親子関係は複雑なもので、追求する価値があるし、この物語でもっとも共感できる部分でもあるわ"(エヴァンジェリン・リリー)
「アリのように小さいサイズで戦うヒーロー」なんていくら<外さないMARVEL>といえど”さすがに"荒唐無稽だろと思っていたけど、まさかMARVELでも屈指の強さと危険な能力のヒーローで、観客の<見たことの無いものを見せる>という映画の根源的な魅力が詰まっていて、こんなに楽しめてアントマンを好きになるとは思わなかった。
まずアントマンとアリ!親子愛!悪の陰謀の撃破!と一作目らしく「ガーディアンズオブギャラクシー」思わせる明るくシンプルで迷いのない物語、ラストバトルが”本当に"子供部屋というように程よい「スケール感」がよかった。
あと主人公が普通の人間(むしろ犯罪者w)で誰しも共感する身近な動機でヒーローになるということや、人間の仲間と敵地に潜入する「チーム感」、(MARVELが弱かったと言われる)女性キャラクターのドラマもしっかり描いていることなど、「彼らは空飛ぶ街を救うので忙しい」と作品内で皮肉っているように、暗くスケールの大きくなりすぎた本流のアベンジャーズシリーズへの「カウンター」として、シリーズをかなり研究して要素が練られていたと思う。
金庫突破からの流れ、戦車の伏線、Siriのアレ、トーマスの二段オチと楽しくて好きなシーンはたくさんあるんだけど、難点として個人的にはお馴染みのMARVELシリーズ伏線とシーンが浮いてた感じがしたなー。とりあえず入れました感が。公開日が近くてエイジオブウルトロンなどの記憶が新しいだけかもしれないけど。
あと普通のシーンも、シリアスなシーンもほぼすべて韻を踏みながらラップ調でセリフを喋り続けるゴキゲンなキャラ「ルイス」がいい(字幕で観てよかった)。シリアスなシーンもっていうのがグッとくる。そしてピム社を脱出するときの「おれたちいいことをしてるんだよな?」と言わせる感覚がとてもいいと思った。
アイアンマンの一作目を観た時のこんな気持ちを思い出した。「あー楽しかった、いい2時間を過ごしたなぁ。」
☆4.0