映画「ピエロがお前を嘲笑う」感想
"大胆にやれば、周りはひれ伏す"
惹かれない訳がない、ポスターと邦題のセンスに惹かれて鑑賞。ただ宣伝文句で「マインドファック」とか銘打ってハードルを上げたのは悪手だった。
「ギーク野郎のハッキングによる成りあがり」がメインでありながら、「人間こそシステムの穴だ」という命題が一貫していて、キーボードを叩くだけではなく、意外と現実世界で頭脳とフィジカルを使っていて、映画的にバランスがよかった。また複雑になりがちな電脳世界での駆け引きも専門用語で煙に巻かずに分かりやすく視覚化されていて親切。
難点は、ダークヒーローとなるには弱すぎる主人公の動機とカリスマ性。こういう映画では「こいつやべえ!!」っていうのをもっと存分に味わいたかった。トリックのアイデア一発勝負で人間ドラマが弱く、劇場で観るにはスケール感やお話のドライヴ感もイマイチってのは「グランドイリュージョン」っぽいな。
良いところはあるんだけど、宣伝文句であれだけハードルを上げられて、1800円払っての劇場鑑賞だと手厳しくなってしまうなぁ。
☆3.0
このトリックを見破れるか!?映画『ピエロがお前を嘲笑う』予告編 - YouTube