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東京映画帝国

”全映画は3つの部分に分かれる” 基本的にあらすじなし、ネタバレなし、映画館鑑賞作のみの感想[評価/批評]。適度な長さとわかりやすい言葉でのレビューとなることを心がけてます。(☆は最大5。3以上で傑作)

「白鯨との闘い」感想 "地球は神からの預かりもの、望むようにしていいのだ"

クリス・ヘムズワースロン・ハワード監督の「RUSH/プライドと友情」が好きだったので鑑賞。

捕鯨ネタって日本人的にはなんかノレないなーと思いながらも、中身は意外と何かと(神の名の下に)自己を正当化し、地球を我が物のように使う人間の傲慢さに警鐘を鳴らし「キリスト教にガンガン冷や水を浴びせる」っていう自分的に好きな内容だったので楽しめた。また人間への怪物からの警鐘という意味ではギャレゴジや平成ガメラ映画のようで、白鯨はゴジラと思うとすんなり理解。

ただ実話ベースである以上、映画の肝である<白鯨>は「畏怖を与える怪物でもあり、ただの動物でもある」という中途半端かつ微妙なバランスの存在に描かなければならなかったのが、観客には退屈に思えてしまい、映画的に苦しかったポイントかと思う。この辺は実話モノ映画の宿命で仕方ないかな。

あまり描かれることのない19世紀石油時代前の微妙な時期だけあって、実際の船出までのビジネス的なやりとりや船乗りの仕事とか、基本的にボート一つ、銛一つで行うという捕鯨のやり方など初めて見るようなことばかりで新鮮に楽しめたし、当時のまだまだ汚くて暗い生活風景も興味深く観ることができた。にしても鯨油はコスパ悪すぎだろ、土から油が出てよかったな。

事前評判でドラマの盛り上げが弱いのを知っていたので、自分で増幅しながら観てちょうどよかった(笑)けどポラード船長が気の合わない主人公との初対面でも「アドバイスがあれば言ってくれ」と述べたように悪者一辺倒じゃない描き方はよかったし、その辺のリアリティが実話モノの強みだね。あとは衝撃の秘密という触れ込みの後半の展開は、さすがに今観ると読めてしまったのが難点。でも美術の再現、鯨の考証、後半サバイバル部の役者の役作りはさすがで、誠実かつ真摯に作られているのは伝わってきた。

原題と邦題の関係のように「白鯨」が主題か否か、考えながら観るとおもしろい。

 

☆3.5

 


In The Heart Of The Sea – Official Trailer - Official Warner Bros. UK