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東京映画帝国

”全映画は3つの部分に分かれる” 基本的にあらすじなし、ネタバレなし、映画館鑑賞作のみの感想[評価/批評]。適度な長さとわかりやすい言葉でのレビューとなることを心がけてます。(☆は最大5。3以上で傑作)

「リリーのすべて」感想 "何を着ていようと、眠りの中で見る夢はリリーの夢よ"

ドラマ 実話ベース 洋画

最高だった。これが世界初の性別適合手術を受けた人の物語とか奇跡かよ。リリーの目覚めてしまうきっかけ、下着姿を見せた時の奔放な妻の最初の反応、彼女を書いた絵が思いがけず高反応で売れる、など「事実は小説より奇なり」と日記も残ってるだけあって実話ならではの予定調和を無視した本当の「リアリティ」に結末を知っていても引き込まれた。

 

実話ベースということで「かったるさ」をある程度覚悟していたけど、意外にも序盤から「いきなりそこ行くんだ!?」という感じで、ポンポンとテンポが良かったのにも好感。ダラダラしがちの物語を誘惑に負けずにきっちり「2時間」に収めていたのが良かった。

 

主人公アイナーの精神病だの何だのと言われ命の危険を犯しながら「自分自身に正直であることを追求する姿」には、時代を超えて誰しも心打たれるはず。アイナー→リリーは最初の段階こそ少し心配だったが、それ以降は納得の出来。衣装さんのテクニックもあるだろうがこの人を演じられるのはエディ・レッドメインこの人しかいない。

 

主人公とは、最愛の人である前に、友人でもあり、同業の戦友でもあるゲルダ。「夫だった人に夫を奪われながらも、それを手助けする」という「献身的」という陳腐な言葉では言い表せないほど、複雑な感情を持って夫を支えた妻を演じたアリシア・ヴィキャンデルも素晴らしかった。斎藤工の言っていた「受け」の演技の大切さとはこういう事か。(特殊な事情から見た目上の変化があり自身を追い込める主人公役より、それを「受ける」周りの人間の演技こそ重要ということかな)

 

ちょっとまとまらないけど、マイナス要素もほとんどないので満点です。

 

☆5.0

 


映画『リリーのすべて』予告編


町山智浩 映画「リリーのすべて」 トム・フーパー監督 たまむすび

監督トム・フーパー

製作ゲイル・マトラックス

アン・ハリソン
ティム・ビーバン
エリック・フェルナー

エディ・レッドメイン/リリー・エルベ
アリシア・ビカンダー/ゲルダ
ベン・ウィショー/ヘンリク
セバスチャン・コッホ/ヴァルネクロス
アンバー・ハード/ウラ

原題 The Danish Girl
製作年 2015年
製作国 イギリス
配給 東宝東和
上映時間 120分
映倫区分 R15+