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”全映画は3つの部分に分かれる” 基本的にあらすじなし、ネタバレなし、映画館鑑賞作のみの感想[評価/批評]。適度な長さとわかりやすい言葉でのレビューとなることを心がけてます。(☆は最大5。3以上で傑作)

<邦画からのアンサー>「太陽」ネタバレなし感想レビュー

 <邦画からのアンサー>

 
近未来、バイオテロによるウィルスが蔓延、人間社会がウィルス耐性を持つものと持たざるものの2つに分かれた世界の対立を描いた傑作舞台劇を映像化。
 
物語的にはサスペンスかと思ってたので、ドラマ重視の話の畳み方にやや肩透かし。あと門脇麦の起用法に関して異議あり
 
ただ技術面でいいなと思うところが結構あって、決して高くない予算だろうに撮影・照明・美術・ロケーションともに美しく、下手な大手邦画より高レベルで驚き。これはもうレベルの低さを揶揄されがちな邦画(入江悠監督)からの明確なアンサーに感じた。
 
まず(舞台劇というのもあるだろうけど)最近の世界的?トレンドの「長回しワンカット」をうまく取り入れ冒頭でカマし、東京からさほど遠くない埼玉の秩父とは思えない日本の神秘的な田舎の雰囲気を引き出した撮影とロケーションの妙が素晴らしかった。舞台原作だからとスケールが小さくてもよいというのには甘えず、ガンガンロケをして映像作品ならではの世界観の奥行きを見せていたのもよかった。
 
そして、「邦画は画面が明るすぎる!」と非難されがちな照明も自然光ならぬ自然闇を生かして「ちゃんと暗く」なっていて独特な田舎の雰囲気を出すのに一役を買っていたと思う。照明なんて詳しくないけど。(撮影近藤龍人氏と照明藤井勇氏は「そこのみて光り輝く」のコンビなのか。どうりで美しいわけね。照明の方は存じあげなかったけど、ほんと入江悠監督はいいメンバーで固めたなー)
 
近未来設定も、背伸びして邦画の苦手なCGを使うのではなく、お洒落な施設やクラシックカーなどうまく実在するもので済ますのがスマート。要は低予算なのにビジュアル面でのツッコミどころがほぼ無いんですよ。
 
後半に癖はあるけど、神木隆之介門脇麦古川雄輝高橋和也はじめ俳優陣も豪華で、しっかり楽しめたので観てよかった。