読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

東京映画帝国

”全映画は3つの部分に分かれる” 基本的にあらすじなし、ネタバレなし、映画館鑑賞作のみの感想[評価/批評]。適度な長さとわかりやすい言葉でのレビューとなることを心がけてます。(☆は最大5。3以上で傑作)

<事件の真相より、社内政治ドラマが多めの前編> 「64ロクヨン 前編」ネタバレなし感想・レビュー

 

NHKドラマ化での評判の良さを聞いていた一作、これだけ豪華俳優で駄目ってことはないだろうとかなり期待して鑑賞。結果、観に行ってよかった!演技の素晴らしかった俳優は数えきれない!これは日本映画サスペンスの傑作の一つになるはず。かるた映画もいいけど、こういう骨太映画にも光が当たらないと。(後編まだだけど!)

 

同じ原作者作、日航機墜落事故追う記者を扱った「クライマーズハイ」のように、メインでドーンと出ている事件、「昭和64年の少女誘拐殺人事件の真相」というよりドロッとした社内(警察署内)政治ドラマが多めで、前者を期待すると肩透かしを食う。そういう気持ちに切り替えて観てれば十分楽しめるし、やっぱ組織に板挟みになるサラリーマンモノは安定の面白さ、熱さだよなー。(でも2年前に流行ったあるTBSテレビの日曜ドラマの影響をモロに受けてるのがなんだかなー。)

 

「悪名高い」前後編システムだけど、前編だけでもある意味完成してたし、(あらすじをよく読んでなかったから)前編のラスト、エンドロール直前で「おおお!これは絶対に後編観なければ!」って思うほど後編への「引き」もあった。後編でストーリーはどうなるか分からないし、推測していくと危うい所もあるけど、横山秀夫作だからあんまり心配してない。出演する俳優陣が超豪華なだけあった。

 

あとこれを観ると「学級会」と形容したくなるような噂の「公的機関と記者クラブの二者の伝統的なズブズブ感と面倒くささ」がなんか分かったっていうのは収穫。原作者が新聞記者出身ならではのリアリティだと思うけど、つまりは現実にこれに近い「学級会」が行われてるってことだよなー。中盤、記者クラブの記者が「めんどくさい」のをずっと見せられるのは苦痛だったけどこれは映画のせいじゃないもんな(笑)

 

記者クラブの本部長室への抗議文を持っての突撃シーン、と後半の主人公三上の新聞記者十数人を向こうに回しての演説シーンは、(シーンそのもののバカバカしさはありながらも)俳優対俳優の演技と演技のぶつかり合いによる迫力を十分に感じた。これは主演俳優・佐藤浩市が若い記者役俳優たちに「潰すつもりで来い」と発破をかけたのも一因だと知って納得。パンフレットのインタビューを読んでいても、彼の「座長」としての意識の高さ、責任感がこの映画全体の張り詰めた空気を作り出すのに一役買っていたと思う。彼は映画の人だ。

 

あと昭和シークエンスは、邦画らしからぬ全体に汚くも暗いトーンが徹底していて重厚感・迫力があり、キチンと映画館の大スクリーンで見る価値、見応えがあった。

 

後編が楽しみ!

 

☆4.0

 


映画『64-ロクヨン-前編/後編』 徹底ガイド 【驚愕の展開】ストーリー編


映画『64-ロクヨン-前編/後編』 徹底ガイド 【群雄割拠】キャラクター編

 

スタッフ
監督瀬々敬久

原作横山秀夫

脚本久松真一
瀬々敬久
脚本協力井土紀州

撮影斉藤幸一

 

キャスト
佐藤浩市/三上義信
綾野剛/諏訪
榮倉奈々/美雲
夏川結衣/三上美那子
窪田正孝/日吉浩一郎
坂口健太郎/手嶋
筒井道隆/柿沼
鶴田真由/村串みずき
赤井英和/望月
菅田俊/漆原
烏丸せつこ/日吉雅恵
小澤征悦/御倉
金井勇太/蔵前
芳根京子/三上あゆみ
菅原大吉/石井
椎名桔平/辻内欣司
滝藤賢一/赤間
奥田瑛二/荒木田
仲村トオル/二渡真治
吉岡秀隆/幸田一樹
瑛太/秋川
永瀬正敏/雨宮芳男
三浦友和/松岡勝俊