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”全映画は3つの部分に分かれる” 基本的にネタバレなし、映画館鑑賞作のみの感想[評価/批評/あらすじ]。適度な長さとわかりやすい言葉でのレビューとなることを心がけてます。(☆は最大5。3以上で傑作)

“あの頃の思い出はいつも心の中にある"若葉のころ ネタバレなし感想レビュー

“あの頃の思い出はいつも心の中にある"

「あの頃、君を追いかけた」「共犯」がよかった”台湾"の学園青春映画、この美しいポスタービジュアル、邦題ときたら観に行かないわけにはいかない。

母の事故をきっかけに、母の17歳の頃の、学生らしい悪行に明け暮れる男子生徒とのボーイミーツガール的な淡い恋模様・青春の日々の回想と、現在パートで同じく17歳の娘の似たような恋模様が交互に描かれる。監督がMV出身だけあって要所要所で挿入される、青春映画らしい梅雨から初夏の風景を水や雨を多用して美しく切り取った、瑞々しくもエッジの効いた撮影は流石だった。

ビージーズの名曲がリンクする現在過去と二層構造の青春恋愛劇、一本で二度おいしいと思いきや、「お互いに気にはなっているけど、少しのすれ違いからいがみあってくっつきそうでくっつかないパート」がとても長い上にテンポが悪く、主人公の支離滅裂な行動も目立つ。どちらも意外と観ていてちっとも楽しくないし盛り上がらないのだ。天は二物を与えずか、ビジュアルセンスは素晴らしいのにもったいない。

17歳の女主人公の部屋にはドラえもんやnon-noの嵐ポスターがあってニヤリ。台湾映画はちょいちょい日本ネタがあるのがありがたいというか、それがもう自然なのかなー。

ただテンポに難ありで終始フラストレーションを感じながらも、その先のあの「エンドロール」で少し泣けてきてしまった。ずっと観ていたかった…。
 
☆3.0