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東京映画帝国

”全映画は3つの部分に分かれる” 基本的にあらすじなし、ネタバレなし、映画館鑑賞作のみの感想[評価/批評]。適度な長さとわかりやすい言葉でのレビューとなることを心がけてます。(☆は最大5。3以上で傑作)

映画「予告犯」感想 <ただのネット炎上モノではない>

邦画 サスペンス ドラマ

 

漫画原作というエクスキューズはあるけど、意外にもタイトな感じで予告のネット炎上がどうのというのを超えた「現在進行形の社会問題」や「無償の友情」というテーマがあって面白かった。まさか鑑賞後シンブンシを被った四人組がこんなに愛おしく見えるようになるとは思わなかった。ラストも「自爆覚悟でデカいことやって終わり」ではなく真の目的がテーマに繋がっていて伏線回収もバッチリで感心。

ピンクのポップなキービジュアルとは裏腹にちょっと骨太な内容に、主演俳優目当てと思われるティーン数組が劇場から十数メートル完全に沈黙しててニヤリとした。でもいい仕事してたよ。生田斗真の代表作になると思う。彼は二枚目なんだけど、ユニットデビューしていない分、甘やかされてない感じが映画にはいいのかも。

あとよく調べないで行ったらシンブンシ側が邦画的に豪華で笑った。荒川良々鈴木亮平濱田岳あたりは本当に外さないな!まさか終盤の荒川良々の演技で泣かされるとは…。

ただシンブンシ側のリアリティに比べて、「あなたにはわからない」と言われまくる戸田恵梨香演じるエリート刑事のキャラ設定が甘いのかセリフとか行動が浮足立っていてぼんやりしていたのが気になった。あと終盤がいわゆる彼女の「演説」だらけなのと、類型的すぎてドン引きするある行為をしてしまっていたのがよくなかった。その直後に捜査員が立ち止まるカットもあって「何やってんだコイツ」みたいに見えてさらに最悪だった。悪所はほぼ彼女の役に集中しているくらいひどかった。

あとはちょっと自己主張の強い劇伴が印象的で、ロックとエレクトロニカを組み合わせたようなエッジの効いた感じで「テレビっぽく」見えてしまいがちな邦画サスペンスの格調をワンランク上に押し上げるのに寄与していた。

漫画原作だから多少のデフォルメ感はご愛嬌。邦画としては文句なしのレベルだと思う。

「どんな小さなことでも、それが人のためなら人は動く」

あなたにはわかりますか?

 

☆4.0