映画「トゥモローランド」感想
"センスオブワンダーにあふれていた。もっとトゥモローランドにいさせてくれ!"
「シンデレラ」につづいて、ユーモアや笑いもありながら嫌味なくほぼストレートにディズニーのテーマを伝えてる、「正しくまっとうに万人向け映画(子供に観せたい!映画)」だった。いや皮肉ではなくて。これがいかに難しいか…。
「ユートピア(理想郷、でもどこにも無い場所という意)」という言葉がふさわしい光り輝く美しい都市、空飛ぶ円形の自動車、鉄道案内のUI、紙と同じ薄さの電子新聞、あっという間に修理してくれるロボット。「最近こういうの観てないでしょ?でも好きでしょ?最新のCGでどうぞ」という監督の<狙い>にまんまとハマり、前半はテンション上がりっぱなし、脳汁出っぱなしだった。トゥモローランドにもっといさせてくれ!!
そして意外とディズニーランド押しの予告ほど実際は甘ったるくなく「インターステラー」「イミテーションゲーム」「博士と彼女のセオリー」に続く科学(賛歌)映画でただの夢物語一辺倒ではなく、理系技術者や理系女子が出てきて、お話が地に足がついていた(ように感じた)のもよかった。
あとまだまだ珍しい「ダブルヒロイン」システム、いいね。メイン女優2人の演技とルックがとにかくかわいかった。ブリットロバートソンは初めて警察でピンバッジを触ったときの驚き方wとか理系女子の気取らない感じがかわいかったし、ラフィーキャシディは予告のイメージとは裏腹にカジュアルな衣装でグリグリ動いて戦うシーンとか最高だった。ディズニーは若手女優の配役は外さないな。
戦闘シーンも好き。強烈な店主夫婦に圧倒、「メンインブラック」一作目を想起させ、ある同グループ映画へのリスペクトをふんだんに感じてニヤリと出来る「レトログッズ店戦」、「ホーム・アローン」を上位互換したようなDIYグッズを贅沢に使って戦う「フランク邸戦」などカメラの動き、アクション含め"フレッシュ"だった。もう一回みたい。
よく言われている終盤の畳み方は評判通りだったけど、MARVELはじめ世界の存亡をかけた戦いの決着の付け方が「うーん」なのは最近よくあるからなー。でも一件落着の単純なハッピーエンドではないのはよかった。あと個人的に気になったのはキーアイテムっぽく触れた「帽子」の扱いがなんか雑なところとか。ベタだけど伏線回収してほしかったなー。
終盤に惜しい部分はあったけど、補って余りあるほど随所に”センスオブワンダー”があふれてた!こんな時代だからこそのポジティブなメッセージにも好印象。SF映画好きは必見。
☆4.0
Tomorrowland - US Teaser Trailer - YouTube