映画「エベレスト3D」感想
<保険会社の保障のギリギリまで、俳優はアシスタントなし、荷物も自力で運ぶ、実際にマイナス30度の高山でスタッフ共々、"命の危険"を感じながらの撮影>
上述の通りCGも極力使わず「本当に」命がけの撮影だったそうで、それならもうそれだけで満足。CGバリバリ使用だったら話は別だけど。「すげーー!よく撮ったなーコレ!」という感情だけで評価が及第点まで行ってしまったという点において「マッドマックス怒りのデスロード」に近い。
物語に関しては実話ベースなのでそれなりなのは否めないけど、フィクション的な「セオリー」は当然ないので、逆に次に誰に何が起こるかわからないドキドキ感はあった。また主人公のチーム以外みーんな自分勝手で、どんなに人が死んでいても"ウチのチームは勝手にやる"、"登りたいから登る"という感じで「人間の欲求の怖さ」を「大自然の怖さ」以上に感じた。(実際は台湾隊もいてもっと色々あったらしいし。"アレ"は事故以降、改善されたのかな) エベレストの商業登山ってどうなんでしょうね。"そこに山があるから"ではすまされない山もあるような…。
難点としては登場人物が誰が誰か、とその(現在地の)位置関係が分かりにくいこと、ベースキャンプのあの「マップ」をもっと上手く使えばよかったのに。
まぁあとは邦題末尾に「3D」とキャッチーなものがついているけど、いわゆる娯楽作ではないので、スイッチを切り替えて、(ドキュメンタリーのように)一生観ることが出来ないであろう光景と、それをスタッフが命をかけて撮影したことに知的好奇心を持てるかどうか。
ぜひ予備知識無しでどうぞ。
☆4.0