映画「ジュラシック・ワールド」感想
"最近の子どもは普通の恐竜くらいでは喜ばない"
ジュラシックパーク直撃世代としては、前半のジュラシックワールド園内描写とクライマックスのバトルで「五億点」出てるし、一作目のオマージュ尽くしのサービス精神は素晴らしいし、(ネタバレ厳禁の)予想外の展開が何回もあったのは確か。でもヒロインの肩書きとあの商業主義的描写であの締め方はない。一般人じゃないんだから。"貴様!人が死んだんだぞ!?いっぱい人が死んだんだぞ!?"と言いたい。てかゴア描写がキッズ対応の星の王子様カレー並みに甘すぎてR-15でやってくれーって感じだった。でもスピルバーグ印でそれを言っちゃおしまいか。
あとヒロインが死にかけの恐竜なでたら、涙流して急に「いい人」になっちゃっててびっくり。”人間と恐竜ドラマ”はよかったのに”人間ドラマ”が弱すぎる。「アクション映画で野暮言うな」といわれるかも知れないけど映像効果だけでなく当然脚本家も一流を集めてるはずなのにこれではね。
最近は高層ビルを即買い取ってボカスカぶっ壊して戦うような映画に慣れちゃってるから、何とかレックスが逃げただの何だのいわれても、今の時代感とのアンマッチは否めない。「最近の子どもは普通の恐竜くらいでは喜ばない」ってフレーズを自身で出してハードルをかなり上げてしまった感がある。
でも一作目同様に恐竜を怪物にしたり、ラプトルをデフォルメすることなく「あくまで生き物」として描いていたのはよかった。現在、シリーズ諸々と通して見ると、人類の「手に余るもの」を金に目が眩んでコントロールしようとするとどうなるかという数年前から話題の「アレ」を意識したメッセージにも感じる。
というか続編決定なようで伏線もバッチリ残してあるけどあれだけのことがあって”パーク施設"はもう無理そうだけどシリーズどうやって続けるのかなあ。また市街地?
☆3.5
Jurassic World - Official Trailer (HD) - YouTube